ボスポラス海峡トンネル開通


トルコ「150年来の夢」、欧州・アジア結ぶ

29日、ボスポラス海峡の海底トンネルを走る地下鉄(AFP=時事)

29日、ボスポラス海峡の海底トンネルを走る地下鉄(AFP=時事)

 オスマン帝国のスルタン(君主)が構想した欧州とアジアをつなぐボスポラス海峡の海底トンネルが150年越しに実現した。トルコのエルドアン首相や安倍晋三首相らが出席し、開通式典が29日、同国最大都市イスタンブールで開かれた。

 ボスポラス海峡の海底トンネルは、オスマン帝国のスルタン、アブデュルメジト1世が1860年に構想したのが始まりとされるが、当時の技術では実現に至らなかった。エルドアン首相は式典で「150年来の夢がかなった」と胸を張った。

 トンネルは長さ約13・6キロで、地下鉄が乗り入れる。ボスポラス海峡にはすでに自動車用のつり橋が2本架けられている。しかし、急激な経済発展に伴う交通量の増大で、市民は慢性的な渋滞に悩まされている。トンネル開通で渋滞解消が期待される。

 トンネルは、地上で作ったパーツを海底に沈める工法としては、世界で最も深い水深約60メートルに位置する。工事は日本の大成建設が手掛けた。(イスタンブール時事)