清水建設が東日本大震災クラスの揺れを再現


「先端地震防災研究棟」を報道陣に公開

清水建設が東日本大震災クラスの揺れを再現

大型振動台を使った清水建設の振動実験。超高層ビルに見立てた構造物が大きくしなった=4日、東京都江東区の技術研究所

 清水建設は4日、東京都江東区の技術研究所に建設した「先端地震防災研究棟」を報道陣に公開した。東日本大震災クラスの地震の揺れを再現できる大型振動台を設置しており、同社は今後、地震対策技術の研究開発を加速。免震装置などを導入したビルの建設を企業に売り込む方針だ。

 大型振動台は7メートル四方の大きさで、瞬間的な揺れの強さは大震災の際、宮城県栗原市で観測された最大加速度2933ガルを再現できる。揺れに応じたビルの被害状態が分かり、免震効果の検証に役立つという。

 4日の振動実験では、40階建ての超高層ビルに見立てた高さ3・8メートル、重さ13トンの構造物が大きくしなった。

 研究棟には、地震の揺れを体感できる設備もある。免震、非免震構造マンション内の揺れ方の違いが分かり、壁に投射した3次元映像で家具の状態も把握できる。清水建設は4月から、顧客企業の関係者に揺れを体感してもらいたい考えだ。

 研究棟は大震災を踏まえ、2013年6月に着工、14年11月に完成した。総工費52億円。