SFオペラ「ソラリス」、パリ公演へ


シャンゼリゼ劇場で、藤倉大さん作曲、勅使川原三郎さん演出

SFオペラ「ソラリス」、パリ公演へ

振付師の勅使川原三郎さん=2月19日、パリのシャンゼリゼ劇場(AFP=時事)

 作曲家の藤倉大さんがポーランド人作家スタニスワフ・レムのSF小説「ソラリスの陽のもとに」をベースにした初のオペラ作品を創作した。振付師の勅使川原三郎さんが演出を担い、5日からパリのシャンゼリゼ劇場で公開される。

 レムの小説は知性を持つ海に覆われた惑星「ソラリス」を舞台に、惑星を訪れる人間の葛藤を描いたストーリー。ロシア人監督の故アンドレイ・タルコフスキー氏や米国人監督スティーブン・ソダーバーグ氏が映画化している。

 藤倉さんは、従来型のオーケストラの配置をせず、演奏家をコンサートホール内のさまざまな場所に配置する手法を生み出したことで知られる前衛的作曲家。今回の公演では、上演開始から15分間は3D映像を流すほか、反響板などで音をホール内に響かせ、不思議な惑星の世界を表現するという。

 藤倉さんは「(同小説は)全ての人の奥深くにある異質性について描いた素晴らしいストーリーだ」と語った。

 公演では、ダンサーとして、勅使川原さんをはじめ、佐東利穂子さん、元パリ・オペラ座バレエ団のニコラ・ル・リッシュさんが出演する。パリ公演は7日まで。その後、北部リールやスイスのローザンヌでも公演する。(パリAFP時事)