錦織圭「曇りのち晴れ」、大会史上初の3連覇
メンフィス・オープン、苦戦を乗り越えて好転
15日に米テネシー州メンフィスで行われた男子テニス、メンフィス・オープンのシングルス決勝で、第1シードの錦織圭(日清食品)が第2シードのケビン・アンダーソン(南アフリカ)に勝ち、大会史上初の3連覇を遂げた。準決勝までの3試合はいずれも第1セットを落として苦しんだ。「もがきながら戦った中での優勝なので、3連覇の中でも一番うれしい」と実感を込めた。
決勝は6-4、6-4の快勝。強みであるリターンが復調してリズムをつくり、ベースラインからの攻撃的なストロークもさえた。
今季3戦目で初優勝。1月の全豪オープンでも8強入りしており、結果は出ているが「今年はなかなか自分のしたいテニスができず、頭の中が曇っていた」と明かす。オフに修正を加えたサーブがまだ板についていなかったり、凡ミスが出たりと、内容に不満を抱えていた。
しかし、不調でも気持ちを切らさず接戦を勝ち抜いたことで、決勝では会心のプレーができた。上向く気配を自覚し、「少し(曇りが)晴れた。こういう試合を増やしていかないと」。
世界ランキング5位という位置は、勝ち続けなければ現状維持すらできない。経験のない立場で過ごす今季について、「(既に)半年ぐらい戦ったような疲れが出ている。でも重圧に負けていない。すごいですね」。笑ってこう話せるところに、心の成長が表れていた。(メンフィス〈米テネシー州〉時事)