鉄路・空路に危機感、北陸新幹線の延伸開業で
乗客減受け特急「はくたか」の廃止が決定
北陸新幹線の長野-金沢間の延伸開業は、首都圏と北陸を結ぶ交通を大きく変える。両地域間の鉄道での最速ルートとして、ほくほく線経由で越後湯沢-金沢間を走る特急「はくたか」は廃止が決定。羽田と小松、富山の両空港を結ぶ航空路線は、便数は当面変わらないが、利用客の動向次第で将来減便される可能性がある。「はくたか」の列車名は、北陸新幹線の停車駅の多いタイプに引き継がれる。
ほくほく線を運営する第三セクターの北越急行(新潟県南魚沼市)は、3月14日のダイヤ改正での特急廃止に伴い、1日当たりの運行本数が32往復から20往復に大幅減少。新たに越後湯沢-直江津間を超快速列車「スノーラビット」が1日1往復するが、先行きは厳しい。渡辺正幸社長は「2015年3月期で131億円となる内部留保を毎年平均3億円取り崩す」と話し、赤字運行を続けながら収支改善策を探る考えだ。
羽田-小松、羽田-富山の空路では、全日本空輸と日本航空がともに現状の運航便数を当面維持する。しかし、「北陸路線の減少を見越して、他県から羽田便を誘致する動きがある」(全日空幹部)といい、富山県の石井隆一知事は「(便数維持は)楽観できない」と危機感をあらわにする。