情報収集衛星レーダー予備機、打ち上げ成功
予備機搭載のH2A27号機で、種子島宇宙センターから
三菱重工業と宇宙航空研究開発機構は1日午前10時21分、政府の情報収集衛星レーダー予備機を搭載したH2Aロケット27号機を鹿児島県・種子島宇宙センターから打ち上げた。予備機は予定の軌道に投入され、初期機能が確認された。打ち上げは成功した。
情報収集衛星は1998年の北朝鮮による弾道ミサイル発射を受けて導入された。悪天候でも観測できるレーダー衛星と、晴天時に撮影する光学センサー衛星が2基ずつ、計4基で構成。安全保障や大規模災害時の対応など危機管理で必要な情報を得るため、内閣衛星情報センターが運用する。
同センターの下平幸二所長は記者会見で、予備機について「4機体制を確実にするためには必須。的確に運用し、真に必要とされている情報収集に臨みたい」と述べた。
予備機は、レーダー衛星1、2号機が予定の運用期間(5年)を待たずに故障したため導入。基本性能は運用中の3、4号機と同じだが、信頼性を向上させた。同センターは年度内に、2009年に打ち上げた光学衛星3号機の後継となる5号機を打ち上げる予定。
H2Aは03年に情報収集衛星を搭載した6号機が失敗した後、21機連続で打ち上げに成功。打ち上げ成功率は96・3%となった。27号機は1月29日に打ち上げる予定だったが、悪天候のため延期していた。