訪日外国人を地方に、観光庁が地方の魅力を発信


「昇龍道プロジェクト」、広域周遊ルート創設など支援

訪日外国人を地方に、観光庁が地方の魅力を発信

観光ルート「昇龍道」のPRポスター

 政府は、観光などで日本を訪れる外国人の数を、2020年に2000万人とする目標を掲げている。14年の訪日外国人数は20日の発表によると、過去最高の1341万3600人に達した。目標実現に向け、観光庁幹部は「リピーターの獲得と地方への誘客が不可欠」と指摘する。同庁は日本に複数回来てもらうよう地方での周遊ルート創設を支援する方針。東京などに偏っている滞在先の分散にもつなげる考えだ。

 訪日客の宿泊地は13年で見ると、東京-京都-大阪間のいわゆる「ゴールデンルート」に6割超が集中。2回目以降の訪日を促すには、地方の魅力を発信して呼び込む対策が必要となる。ゴールデンルートだけではピーク時は宿泊施設や交通機関が混雑し、観光客は満足感を得にくい。それらが確保できず、訪日を諦める人もいるとみられている。

 そこで同庁は、各地での広域周遊ルート創設の支援に乗り出す。イメージするのは中部・北陸地方の9県が取り組む「昇龍道プロジェクト」。中部国際空港などを玄関口に、熊野古道、伊勢神宮、松本城、白川郷、金沢市などを巡る観光ルートを中華圏に人気がある龍の姿に似せて描き、PRしたところ、一帯の13年の外国人宿泊者数は前年比約37%増となり、全国平均の約27%増を上回った。

 これを参考に、複数の自治体などが協力して周遊ルートを創設する取り組みに対し、受け入れ環境整備などを支援する。事業費約5億円を14年度補正予算案に盛り込んだ。

 15年度からは市町村を対象に、地域の観光資源を磨き上げる新規事業も始める予定。案内板の多言語化や、拠点となる駅や空港から移動する交通網の整備などを財政支援し、需要の掘り起こしを図る。