帝京大が密集戦で完勝、チーム結束の6連覇
全国大学ラグビー、東京・味の素スタジアムで決勝
赤いジャージーの帝京大が次々と相手をのみ込んでいった。密集戦の攻防で完勝して主導権を握り、決勝の最多得点となる50点をマークして6連覇。岩出監督は「ほっとしてます」と目尻を下げた。
「FWを前に出して戦いたい」。決戦前に流主将が話した通り、重量FWが筑波大の出足を止めた。先制トライは敵陣で相手ボールのスクラムを押し、こぼれたボールを流が拾ってインゴールに飛び込んだもの。密集では素早いサポートと激しさで何度もボールを奪った。
もっとも、FWだけの勝利ではない。バックスも的確な状況判断と、流れるようなパス回しで相手の防御を翻弄(ほんろう)した。チームが理想に掲げる「FWとバックスが一体となったラグビー」を体現。7トライ全てをバックスが仕留めた。
例年以上の強さを発揮できた理由は選手の結束にあった。試合終了の笛が鳴り、応援団のもとへあいさつに向かうと、流主将の目に涙がにじんだ。「出られなかった4年生の顔を見たら自然と」。岩出監督も会見場で目頭が熱くなった。「メンバーを外れた学生の思いがよぎる」。総勢142人。大所帯のチームはまとまり、偉業を成し遂げた。