米家電見本市、車一色
自動運転技術競う
米ラスベガスで開催中の家電見本市「国際CES」は、自動運転技術やITを活用したドライバー支援アプリなど自動車関連の出展が大幅に増えた。自動車メーカーはトヨタ自動車など過去最高の10社が参加し、関連アプリの開発に取り組むベンチャー企業も目立った。
自動運転技術の売り込みに力を入れるのはドイツ勢だ。BMWは立体駐車場の入り口から自動で駐車する技術を披露する。ドライバーが用事を終えてスマートウオッチで出庫を指示すると、車は駐車場の出口で迎えてくれる。
アウディは自動運転車でシリコンバレーからラスベガスのCES会場まで約900キロを完全走破し、安全性をアピール。メルセデス・ベンツも前部座席を回転させ、4人で顔を合わせてだんらんできるコンセプトカーを初公開し、「運転の必要がないプライベート空間」を演出した。
完全な自動運転には、リアルタイムの道路情報をインターネットを通じて車に伝えるなど高度なIT技術が不可欠だ。英調査会社アナリシス・メイソンによると、2014年に世界で販売された新車のうち、ネット接続機能が備えられた車の割合は5%だが、19年には60%近くまで拡大する見通しという。
米IT業界は「住宅分野と並んで今後のIT化の余地が大きい巨大市場」(ベンチャー経営者)と期待する。最寄りで空いている最も安い駐車場を知らせるサービスなど、関連アプリの開発競争も激化している。(ラスベガス時事)