鈴木は3位-スケートカナダ女子SP
「愛の賛歌」に手応え 鈴木、反応に満足感
演技を終えると、鈴木は頭上に掲げた左手を握り締めた。課題もあったが、手応えも十分だった。 冒頭、トーループの組み合わせで挑んだ3回転の連続ジャンプで、二つ目が回転不足になり、出来栄え点も引かれた。大きなミスではなかったが、より難易度の高い2連続の3回転を決めた若手2人との差がついた。
ただ、特別な思いを込めた今季のSPに対する観衆の反応に満足感を覚えた。最後のシーズンに選んだ「愛の賛歌」のテーマは「自分のスケート人生」。スケートと出会った頃を演じる序盤から、摂食障害で苦しんだ時期を表現する中盤へ流れ、「病気から復帰して、今こうして拍手を浴びながら滑っている」という後半に向かう。
笑みを浮かべ、多彩なステップで喜びや感謝を示す終盤の演技に拍手が起こった。鈴木の思いが伝わった証拠だ。
「こういう反応が欲しかったので、すごくうれしい。このプログラムは、これからも成長していく」。28歳が有終の美を目指すソチ五輪に向け、確実な一歩を踏んだ。(セントジョン時事)