油井亀美也さん、ISS長期滞在ミッション


一時帰国で記者会見、初飛行へ「新たな挑戦」

油井亀美也さん、ISS長期滞在ミッション

記者会見後、撮影に応じる宇宙飛行士の油井亀美也さん=5日午後、東京都千代田区

 今年5月から約半年間の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在に臨む油井亀美也さん(44)が5日、東京都内で記者会見し、「半年のミッション(任務)でどれだけできるか。私自身の次にもつながるし、将来の探査にもつながる。新たな挑戦をテーマにいろいろなことにチャレンジしたい」と初飛行に向けた決意を口にした。

 筑波宇宙センターでの訓練のため、2日に一時帰国した油井さん。打ち上げ前の帰国はこれが最後で、3、4日と実家のある長野県川上村で過ごし、母と祖母の墓前に「行ってきます」とあいさつをしたという。

 2009年に宇宙飛行士候補に選ばれた油井さんは、航空自衛隊のテストパイロット出身。搭乗するロシア・ソユーズ宇宙船では船長をサポートする役割に任命されており、「パイロットとしての技量がどれだけ示せるかという意気込みは高い」と意欲を見せた。

 日本人宇宙飛行士では昨年、先輩の若田光一さん(51)が初のISS船長を務めたばかり。「日本の宇宙飛行士が積み上げてきた伝統や信頼感がある」と責任の重さを意識。「これからは私たちの世代。もっと遠くの、(火星などの)有人探査に向け、次につなげていくことも大事だ」と将来も見据える。

 自身のミッションロゴには、名前からカメをモチーフにし、月と火星をあしらった。油井さんは「月や火星、小惑星の探査。現役の間に機会があれば挑戦したい。高くて遠い目標だが、カメのように一つ一つやるべきことをすれば届くものなので、参加してやるぞ、と思っている」と語った。

 油井さんは今年5月末ごろ、米露両国の飛行士とともに、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地からソユーズ宇宙船でISSに向かい、約半年間滞在。11月ごろに地球に帰還する予定。