カイ・レイニウスさん「緊張ほぐしたい」


ノーベル賞歴代日本人担当で赤崎教授の世話役

カイ・レイニウスさん「緊張ほぐしたい」

ノーベル賞受賞者の世話役を務めるカイ・レイニウスさん(左)と妻の豊子さん=7日、スウェーデン・ストックホルム(時事)

 10日夕(日本時間11日未明)、ノーベル賞の授賞式に臨む赤崎勇名城大教授(85)には、経験豊富な世話役が付いている。元在日スウェーデン大使館職員カイ・レイニウスさん(68)。長野県原村出身の妻豊子さん(58)と力を合わせ、「受賞者や家族が疲れないように配慮し、緊張をほぐしたい」と語る。

 世話役は「アタッシェ」と呼ばれる。受賞者一人ひとりに担当者が付き、公式行事にも同行する。カイさんは過去5人の日本人受賞者のアタッシェを務めた経験があり、今回は名城大の指名で赤崎さんの担当になった。

 これまで授賞式に出席した日本人受賞者の中で、赤崎さんは最高齢。体調は万全とは言えず、参加する公式行事を減らしている。カイさんは赤崎さんの負担を軽くするため取材対応の窓口も務めるが、「日本のメディアは毎回ノーベル賞の関心が高い」と苦笑する。

 日本人受賞者の付き添いは赤崎さんで6人目。世話役の中でも異例の多さで、さまざまなことを経験した。2008年に担当した益川敏英さんは晩さん会のテーブルに眼鏡を忘れ、みんなで必死に探した。02年に田中耕一さんが受賞した時は日本の報道陣が100人集まり、対応に追われた。

 通算で10年以上ストックホルムに住む豊子さんも赤崎さんや家族を気遣い、「ノーベル財団は受賞者らがアットホームに楽しんでほしいと思っている。不安をできるだけなくしたい」と話す。

 さらに豊子さんは、「冬は街並みがきれいだし、最近は地産地消がブーム。晩さん会のメニューには北欧の食材が使われると思うので、楽しみにしてほしい」と当地の魅力もアピールした。(ストックホルム時事)