文化審、「猿島砲台跡」を国の史跡に


「水郷柳河」など10件は名勝に

文化審、「猿島砲台跡」を国の史跡に

国の史跡に指定される神奈川県横須賀市の猿島砲台跡(文化庁提供)

 文化審議会(宮田亮平会長)は21日、神奈川県横須賀市の猿島にある旧日本軍の砲台跡を含む「東京湾要塞(ようさい)跡」など13件を史跡に、詩人北原白秋の故郷にあり詩の題材にもなった「水郷柳河」(福岡県柳川市)など10件を名勝として新たに指定するよう下村博文文部科学相に答申した。

 このほか、修験道ゆかりの小菅山や周辺集落(長野県飯山市)など3件を重要文化的景観に、房総半島南西端にある洲埼灯台(千葉県館山市)など建造物133件を登録有形文化財に新規登録することも求めた。近く答申通り指定される。

 東京湾要塞は首都防衛のために旧日本陸軍が東京湾一帯に築いた軍事施設で、このうち明治時代に造られた砲座や弾薬庫などが良好に残る猿島砲台跡と千代ケ崎砲台跡(横須賀市)が対象となる。

 水郷柳河は有明海に注ぐ筑後川の河口付近にあり、掘割の水面が広がる城下町や周辺の漁村の風景は、北原白秋が多くの作品に描いた。詩作の源泉となった観賞上の価値が高いとされた。