G大阪3冠へまず一つ、起点増やし2点差逆転


ナビスコ杯サッカーで7年ぶり優勝、広島を3-2で下す

G大阪3冠へまず一つ、起点増やし2点差逆転

優勝を喜ぶ遠藤(中央)らG大阪イレブン=8日、埼玉

G大阪3冠へまず一つ、起点増やし2点差逆転

後半、決勝ゴールを決めるG大阪の大森(中央)=8日、埼玉

 伝統の攻撃サッカーには、劣勢をものともしない破壊力があった。2点のビハインドをひっくり返し、G大阪が7年ぶりの歓喜に沸く。長谷川監督は「最高の形で締めくくれた。これは新しい時代の始まりになる」。遠藤は優勝カップを掲げ、雄たけびを上げた。

 確かな攻めの手応えが焦りを封じた。開始10分すぎからパトリックの推進力でリズムをつかみ、パスが回り始めた。遠藤は「サイドに流れてボールを受けるよう意識した」。2点目を失ってから3分後の前半38分。その言葉通り、遠藤が左サイドから挙げたクロスをパトリックが頭で流し込み、チームに勢いが出た。

 指揮官はその流れを見逃さなかった。後半から守備的MF明神を下げて、前線に大森を投入。攻撃の起点を増やして広島のマークを分散させ、攻めの推進力が増したところで9分に宇佐美のクロスを再びパトリックが決め同点。26分にも宇佐美のドリブルから最後は大森。試合終了前から目を潤ませた宇佐美は「自分にとっては初タイトル。勝って泣いたことはなかったのに」と感慨に浸った。

 J2からはい上がった今季。遠藤は「悔しさを振り払い、いい方向に進んでいる」と実感を込めた。22日のJ1では首位浦和との直接対決が待つ。「みんなでたすきをつないできた。チームも私も発展途上だが、これは大きな自信になる」と長谷川監督。リーグ戦、天皇杯と合わせた3冠へ、価値あるタイトル獲得になった。