20歳になった村上佳菜子、手応えの滑り出し


中国杯フィギュアで「オペラ座の怪人」、女子の3位

20歳になった村上佳菜子、手応えの滑り出し

女子ショートプログラムで演技する村上佳菜子=7日、上海(AFP=時事)

 演技後、観客席から「お誕生日おめでとう」の声。「完璧にすっきりしていないけど、20歳になった日に、好きなスケートを見てもらえてうれしい」。10代と決別した村上に笑みが浮かんだ。

 「すっきり」しなかったのは、3回転の2連続ジャンプで好スタートを切りながら、後半の3回転フリップが回り切らず、着氷が乱れたため。ステップ、スピンでも取りこぼしがあった。ただ、シーズン序盤は出遅れがちになることを考えれば、格段の安定感。「もっと点数を上げていけると確信できた」と言い切る。

 異色の試みもまずまずの滑り出し。今季はSP、フリーとも「オペラ座の怪人」の映画曲で滑り、SPではヒロイン、フリーでは怪人ファントムになりきる。男女を演じ分ける難しさはあるが、SPは美しいボーカル曲に乗って表情や手足の先まで気を配った。しっとりとした大人の女性の滑り。ロシア勢と差はあるが、SP3位で発進した。

 ソチ五輪12位の悔しさを胸に再起。今季はエースとしての期待もかかる。「フリーは力強いファントムを演じられれば」。思いを込めた。(上海時事)