メルシャン、自社ブドウ農園を倍増へ


国産ブドウを原料とする「日本ワイン」需要で

メルシャン、自社ブドウ農園を倍増へ

メルシャンのワイン用ブドウの自社農園「城の平ヴィンヤード」=山梨県甲州市(同社提供)

 ワイン大手のメルシャンは、2年以内をめどに自社ブドウ農園を20ヘクタール程度増やし、現在のほぼ倍に拡大する。国産ブドウを原料とする「日本ワイン」は、和食の繊細な味に合うというファンらの需要が高まっているという。自社農園とは別に、ブドウ栽培を委託する契約農家の数も増やす考えだ。

 メルシャンは「シャトー・メルシャン」で知られる日本ワインの老舗。長野県上田市と山梨県甲州市の2カ所に計21・5ヘクタールの自社農園を持つ。新しい自社農園もブドウに適した両県が有力な候補地で、利用できる休耕地を探しているという。場所は複数になる可能性もある。

 国産ワインの大半は、海外から輸入したブドウ果汁から醸造したり、輸入ワインを国内で配合したりして製造されている。最近はブドウ栽培から国内で手掛けた製品を日本ワインと呼び、消費者の関心を引くことに力を入れているところだ。輸入を含めた国内ワイン市場で日本ワインが占める割合は2%程度だが、ここ数年は前年比約5%増の勢いで伸びている。