三菱航空機、国産ジェット機の機体を公開


「さまざまな困難乗り越えお披露目」、MRJ来春初飛行

三菱航空機、国産ジェット機の機体を公開

公開された小型ジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」=18日午後、愛知県豊山町の三菱重工業小牧南工場

 三菱航空機(名古屋市)は18日、親会社の三菱重工業の小牧南工場(愛知県豊山町)で、開発中の小型ジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の機体を初めて公開した。ジェット旅客機として国産初となるMRJの事業は、2008年の開発着手から6年余りを経てようやく軌道に乗る。

 両社は今後、15年4~6月に初飛行を行い、17年4~6月に機体納入を始める計画。飛行試験は日本と米国で行い、初号機は他の航空会社に先駆けて導入を決めた全日本空輸に納入する。

 生産を担う三菱重工の大宮英明会長はMRJの公開式典で「さまざまな困難を乗り越え、お披露目ができた。日本のものづくりの英知と、国産旅客機事業の復活を実現したいという多くの人たちの情熱が見事に融合した」とあいさつした。

 MRJは当初、11年に初飛行し、13年に初号機納入を計画。しかし、主翼の部材変更や装備品の調整に手間取り、3度にわたり延期した。

 15年春の初飛行に向け、機体が想定通りに動くかどうかの試験を加速させるが、延期が続いた過去の経緯から「いばらの道が続く」(三菱重工の石川彰彦MRJ推進室長)見通しだ。

 開発費1800億円の回収も今後の課題となる。MRJはこれまでに日本や米国、ミャンマーの航空会社から計407機を受注。今後20年で2500機の受注を目標に掲げる。

 小型ジェット旅客機市場は現在、ブラジルのエンブラエルとカナダのボンバルディアの独壇場。特に「新参者の当社がエンブラエルの本拠地の中南米に売り込みをかけられるかどうかは未知数」(三菱航空機の川井昭陽社長)。需要の伸びが期待されるアジアなどでも受注活動を強化する方針だ。