長山照利さん「無事戻って」千羽鶴に願い


御嶽山噴火、長期化する捜索待つ家族に疲れ

長山照利さん「無事戻って」千羽鶴に願い

御嶽山の噴火で行方が分からない愛知県豊田市の小学5年長山照利さん(家族提供)

 戦後最悪の噴火災害から7日目となった3日、御嶽山では雨のため自衛隊などの捜索が中止された。長野県は16人がなお行方不明と発表。麓で発見を待ち続ける家族は疲労の色が濃い。「早く見つかってほしい」。小学5年の女子児童を待つ同級生は地元で無事を祈り、千羽鶴を折った。

 愛知県豊田市の市立平和小5年、長山照利さん(11)は17人のグループで御嶽山に登った。仲間の男性は噴火直前、死亡が確認された同県知立市の高校3年、伊藤琴美さん(18)と長山さんが、山頂で仲良くおにぎりを食べていたのを覚えている。関係者によると、両親らは現地で待機しているが、捜索ではリュックサックしか見つかっていない。

 長山さんは学校でバスケットボール部の練習に熱心に取り組み、掃除や遊びの時間には年下の面倒をよく見ていたという。同級生は休み時間などに千羽鶴を折り、友だちの帰りを待っている。中原瑞樹校長は「無事に戻ってくることを全校挙げて願っている」と語った。

 叔父と登った同県刈谷市の愛知大1年、野村亮太さん(19)も山頂近くで行方が分からなくなった。当日夜に駆け付けた父の敏明さんは捜索が中止された3日朝、「残念だけどしょうがない。あしたまた来る」といったん帰宅した。

 亮太さんは3月まで通った県立知立東高校で部活のサッカーに打ち込み、主将を務めた。水野秀則教頭は「自分に厳しく、後輩らには優しく接することのできる主将だったと聞いている」と話した。