大手小売り各社が地域密着で商売繁盛を図る
ユニクロや百貨店、広告などで連携
カジュアル衣料品店「ユニクロ」が地元の人を地域の広告に載せたり、店舗に近くの飲食店を紹介するコーナーを設けたりするなど、大手小売り各社は地域密着を強めている。かつては大型スーパーと商店街が対立した時代もあったが、両者が一体となって商売繁盛を図る構図だ。
ユニクロは10月にオープンする吉祥寺店(東京都武蔵野市)の広告に、歴史ある喫茶店の店長や、吉祥寺在住の漫画家楳図かずおさんを起用。「周りの店と協力して、お客さまに来てもらう」(広報担当者)のが狙いだ。
百貨店の松坂屋上野店(東京都台東区)も9月、インターネット上に地域の情報を発信するコミュニティーサイト「上野が、すき。」を開設。上野店の社員12人や観光団体、ブロガーなどが上野のお勧め商品や店舗などを紹介する。
運営するJ・フロントリテイリングは中期経営計画の中で、地域と共に成長するビジネスモデルの構築を掲げる。松坂屋上野店は建て替え中の南館が2017年秋に開業する予定で、「地域全体を活性化し、入店者数や売り上げの増加につなげたい」(広報部)と期待している。