航空機へのバードストライク対策にタカ


鷹匠が朝夕に2時間ずつ巡回、成田空港で試行

航空機へのバードストライク対策にタカ

成田空港で航空機への鳥衝突(バードストライク)対策に当たる鷹匠(たかじょう)=11日午後、成田空港

 航空機への鳥衝突(バードストライク)を防止するため、成田国際空港会社は11日から、タカを使って滑走路付近に現れる鳥を追い払う対策の試行を始めた。鳥の出没が多い朝夕に2時間ずつ、タカを連れた鷹匠(たかじょう)が巡回し、効果を試す。

 バードストライクは航空機が低高度にある離着陸時に多く発生。そのまま航行しても問題ない場合も多いが、重要な部品に当たると事故につながる可能性がある。2009年1月、米ニューヨーク・ラガーディア空港を離陸直後のUSエアウェイズ機がバードストライクで両エンジンが停止し、ハドソン川に不時着水した事故もあり、空港当局にとっては見逃せない問題だ。

 成田空港では7~9月に多発。2009年には46件だったが、同年10月のB滑走路延伸後増えた。昨年には統計を取り始めて以来最高の113件を記録。今年も昨年並みのペースで推移している。

 従来は1日5回、猟銃を持った職員がパトロールし、鳥の群れを発見すると空砲を撃つなどしていたが、減少にはつながっていない。このため、海外の空港などで実績のあるタカによる対策を試すことにした。1週間試行し、効果があれば他の対策と併せて本格実施する方針だ。