69回目の原爆の日、未来志向の対話訴え


広島市長平和宣言「平和国家の道を」

69回目の原爆の日、未来志向の対話訴え

「原爆の日」の6日夕、広島市中区の原爆ドーム前を流れる元安川で、犠牲者の鎮魂を願う灯籠流しが行われた。川面に揺らめく色とりどりの柔らかい光に、人々は手を合わせ、平和を祈った=6日午後

 広島市は6日、69回目の原爆の日を迎えた。広島市中区の平和記念公園では、市主催の「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)が行われ、被爆者や遺族、安倍晋三首相ら約4万5000人が参列。松井一実市長は平和宣言で、「絶対悪」である核兵器廃絶に向け、「憎しみの連鎖を生み出す武力ではなく、人と人とのつながりを大切に、未来志向の対話ができる世界を築かなければならない」と訴えた。

 式典には68カ国の政府代表や欧州連合(EU)代表部が参列した。昨年着任した米国のケネディ駐日大使のほか、核保有国では英仏ロの代表者も出席した。原爆が投下された午前8時15分に、遺族代表らが「平和の鐘」を打ち鳴らし、参列者は1分間の黙とうをささげた。

 平和宣言で松井市長は、政府に対して、69年間戦争をしなかった事実を重く受け止め、「名実ともに平和国家の道」を歩み続けるよう訴えた。また、オバマ米大統領や核保有国の為政者に被爆地訪問を求め、「信頼と対話による新たな安全保障の仕組みづくりに全力で取り組んでほしい」と述べた。

 安倍首相は「人類史上唯一の戦争被爆国として、核兵器の惨禍を体験したわが国には、確実に、『核兵器のない世界』を実現していく責務がある。その非道を、後の世に、また世界に、伝え続ける務めがある」とあいさつした。

 式典では松井市長と遺族代表が、この1年間に死亡が確認された5507人の名前を記した原爆死没者名簿を慰霊碑に納めた。原爆死没者は29万2325人となった。