「土用の丑の日」を前に、高くても人気根強く


うなぎ商戦がピーク

「土用の丑の日」を前に、高くても人気根強く

大丸東京店の日本橋伊勢定の調理場で焼き上げられるウナギのかば焼き=東京・丸の内

 29日の「土用の丑(うし)の日」を前に、うなぎ商戦がピークを迎えている。大手スーパーでは「国産は1枚当たり前年より100円ぐらい高い」(ライフコーポレーション)との声が多いが、売れ行きはおおむね前年並みだ。「品切れを起こさないように店頭の展開を強化したい」(イトーヨーカ堂)と意気込む。

 大丸東京店(東京都)のうなぎ店「日本橋伊勢定」は店頭に行列ができるにぎわいぶりで、7月の売上高は前年を2割近く上回って推移している。6月にニホンウナギが絶滅危惧種に指定されてから客が増えたという。

 日本鰻輸入組合の森山喬司理事長は「手頃な値段でおいしい物を食べられる最後の年かもしれない」と話す。今年は稚魚の豊漁で卸売価格は前年比3~4割下落しており、市場から調達する小型スーパーでは価格が下がると期待する。

 しかし、大手スーパーは「春先には仕入れの契約が終わっている。今年の店頭価格は下がらない」(イトーヨーカ堂)と話す。丑の日が過ぎて需要が下がり、豊漁で供給が増える秋以降に価格が下がるとの見通しだ。

 大手外食チェーンも値下がり前に調達を終えており、豊漁の恩恵は及んでいない。