文楽の人間国宝の竹本源大夫さんが引退


「気力体力の衰えいかんともし難く、引退を決意」

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引退する竹本源大夫さん=2011年、大阪市中央区の国立文楽劇場

 人形浄瑠璃文楽の太夫で人間国宝の竹本源大夫さん(82)が引退することが14日、分かった。今年5月の竹本住大夫さんに続く引退で、文楽大夫の現役の人間国宝はゼロとなる。

 源大夫さんは、昨年5月に東京で公演を行った後に体調を崩し、療養に努めていた。源大夫さんは文楽協会などを通して、「近年体調の思わしくない中、皆様のご声援を励みとして舞台を務めてまいりました。芸への情熱は薄れることなく、舞台復帰のため懸命に努力してまいりましたが、気力体力の衰えいかんともし難く、引退を決意した次第でございます」とのコメントを発表した。

 源大夫さんは、七代目源大夫さんを祖父、三味線の初代鶴澤藤蔵さんを父に持つ文楽一家に育ち、1946年に八代目竹本綱大夫さん(当時は織大夫)に入門。96年に九代目綱大夫を襲名、2007年に人間国宝に認定され、11年に九代目源大夫を襲名した。