映画「GODZILLA ゴジラ」
納得できるハリウッド版
1998年にローランド・エメリッヒ監督がメガホンをとった「GODZILLA」は、興業的には成功したが、総括的には「あれは、(我々が)知るゴジラではない」と総スカンを食らった。当のエメリッヒ監督も、遠回しながらそれを認めている。
それから16年後、2014年版「GODZILLA ゴジラ」は、日本が誇る怪獣映画「ゴジラ」に敬意を払い、ゴジラの容姿はファンを納得させる。
とくにゴジラが哀愁を漂わせながら再び海に向かっていくラストシーンは、オリジナル日本版の特徴を踏まえ、よく仕上がっている。16年前のハリウッド版にがっかりしたファンは、この作品に納得できるはずだ。
監督は、大のゴジラファンを自称するギャレス・エドワーズ。1998年版について質問された時「ゴジラではない」と言いきっている。
作品は日本版「ゴジラ」の初期の作風を彷彿とさせ、さらにシリーズ作品の要素を盛り込みながら、物語を進めていく形だ。ハリウッドらしく壮大なスケールとエンターテインメント性を持ち込み、ワクワク感とリアリティーが加味され、ゴジラとそれを取り巻く親子の物語を描いている。
日本版ともこれまでのハリウッド版とも違う、新しいゴジラ像を感じる事ができる。(佐野富成)