なでしこ、アジア・カップで初の王座に
若手成長の糧に、W杯連覇に危機感も
2011年のサッカー女子ワールドカップ(W杯)で世界一に輝いたなでしこジャパンが、アジア・カップで初の王座に就いた。
過去に13度出場して準優勝4度。W杯王者としての重圧や、欧州クラブ所属の主力選手が不参加という難局を若手起用で克服した。ピッチ内外でチームをけん引し、大会最優秀選手に選ばれた主将の宮間(岡山湯郷)は「まだ本当の一体感ではない」と言ったが、「このメンバーでできることの90%くらいはできた」と手応えを話した。
DF川村(仙台)、MF中島(INAC神戸)が試合をこなすごとに持ち味を出した。FW菅沢(千葉)も短い出場時間で存在感を出し、自信を口にした選手は多かった。だが勝負どころでは、世界一メンバーの力に頼る部分が大きいことも実感させた。大会前に佐々木監督が「アジアでは横綱相撲で勝ち切らないと」と話したことを思えば、現実は厳しかった。
来年のW杯カナダ大会に向けて、今年36歳を迎える澤(INAC神戸)は「正直、このままのレベルでは連覇はない。欧州組がいないことは言い訳にならない。一人一人が危機感を持たないと」ときっぱり。カナダW杯を見据えたチームの底上げは、今大会でチャンスを得た若手が国内リーグ戦で大きく飛躍できるかに懸かっている。(ホーチミン時事)