JR江差線の木古内-江差区間が廃止
北海道南西部で地域の足、ファンら別れを惜しむ
1936年に開業し、77年半の間、北海道南西部で地域の足として親しまれてきたJR江差線の木古内-江差間(42・1キロ)が11日、営業運転を終了した。この日、沿線の木古内、湯ノ岱、江差の3駅でセレモニーが開かれ、地元住民や鉄道ファンなどが別れを惜しんだ。
JR北海道によると、江差線は開業後、木材輸送などで活躍したが、利用客が年々減少。2011年度の輸送密度は1キロ当たり1日平均41人と、同社管内で最低となり、12年9月、西半分に当たる同区間の廃止を表明した。
江差駅(江差町)には、地元住民や鉄道ファンら約1000人が駆け付けた。列車が到着すると、カメラのフラッシュが無数にたかれ、「ありがとう江差線」と書かれた旗で迎えられた。
同町に住む若山アイ子さん(79)は、「家の近くに線路があり、列車が通るとよく手を振っていた。それもできなくなる」と寂しそう。埼玉県から駆け付けた酒井道彦さん(46)は「秘境駅と自然あふれる風景が魅力だったが、時代の流れで仕方ないと思う」と話した。
同区間は廃線後、バス運行に転換する。