広島は快進撃、ユニークな苦労人たちが貢献


16年ぶりの貯金11で首位、大瀬良・九里両投手が好スタート

広島は快進撃、ユニークな苦労人たちが貢献

ヤクルトに勝ってガッツポーズする広島の大瀬良(左)と田中=24日、神宮

 プロ野球セ・リーグは広島が16年ぶりの貯金11で首位に立っている。ドラフト1、2位で入団した大瀬良(九州共立大)と九里(亜大)の両投手は、ともに先発陣の一角を担い2勝ずつを挙げる期待通りのスタート。2人だけでなくユニークな経歴を持つ新戦力も快進撃に貢献している。

 ドラフト3位ルーキーの田中は24日のヤクルト戦で右翼ポール際へ逆転3ランとなる初本塁打を放った。神奈川・東海大相模高、東海大では巨人の菅野と同期。社会人屈指の内野手に成長したJR東日本では、東京駅で駅員を務めたことも。「いい投手なので、やってみたい」と菅野との対戦を心待ちにする。

 ドミニカ共和国出身のロサリオも25日の巨人戦で来日初アーチを放った。米国では大リーグ経験がなく、広島がドミニカで外国人選手の発掘や育成を目的に開校した「カープアカデミー」に参加。今季から4年契約を結んだ。主砲キラの負傷離脱で23日に1軍昇格し、「パワーを生かしたい」。チャンスをつかもうと燃える。

 リリーフの一岡は27日の巨人戦でプロ初勝利。巨人にフリーエージェント(FA)移籍の大竹の人的補償で広島に移った。大分・藤蔭高時代に肘を痛め就職優先で沖データコンピュータ教育学院に進んだはずが、素質を評価されてプロ入り。「両親はもちろん、専門学校の時のアルバイト先の人たちにも感謝したい」。謙虚な23歳だ。