みこし乗せ「御座船」が利根川を1・5キロ遡上


12年ぶりに香取神宮で「式年神幸祭」、3000人が練り歩く

みこし乗せ「御座船」が利根川を1・5キロ遡上

みこしを乗せて12年ぶりに利根川をさかのぼる香取神宮の「御座船(ござせん)」=15日午後、千葉県香取市

 「東国三社」の一つに数えられる香取神宮(千葉県香取市)の「式年神幸祭(しきねんじんこうさい)」が15日始まり、みこしを載せた船「御座船(ござせん)」が12年ぶりに利根川をさかのぼった。祭りには甲冑(かっちゅう)や羽織はかまなど古式ゆかしい装束に身を包んだ約3000人が参加し、みこしの「お供」をしながら2日間にわたって市内を練り歩く。

 式年神幸祭は香取神宮の祭神「経津主大神(ふつぬしのおおかみ)」が東国を平定した際の様子を再現したといわれ、800年以上の歴史があるとされる。応仁の乱の頃に衰え、1568年を最後に中断したが、明治になって再興され、1882年からは12年に1回、午(うま)年ごとに行われている。

 行列はこの日午前、香取神宮を出発。正午すぎに利根川南岸の「津宮鳥居河岸(つのみやとりいがし)」で、みこしを御座船に乗せた。川を約1・5キロ遡上(そじょう)した後、密接な関係がある「鹿島神宮」(茨城県鹿嶋市)の「御迎船(おむかえせん)」に出迎えられ、JR佐原駅(香取市)に近い佐原地区に上陸した。

 16日は午前9時から、江戸時代後期からの町屋が並ぶ佐原地区の歴史的町並みを巡行し、午後4時に神宮に戻る。