復興への希望乗せ、蒸気機関車「SL銀河」を運行


JR釜石線の花巻-釜石間90・2キロで

復興への希望乗せ、蒸気機関車「SL銀河」を運行

汽笛を大きく響かせ、黒煙を上げて出発する「SL銀河」=12日午前、岩手県花巻市のJR花巻駅

復興への希望乗せ、蒸気機関車「SL銀河」を運行

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」をモチーフに、客車の車体に星がちりばめられている=12日午前、岩手県花巻市のJR花巻駅

 約40年前に岩手県内を走っていた蒸気機関車が12日、新たに「SL銀河」として生まれ変わりJR釜石線の花巻-釜石間90・2キロで運行を開始した。東日本大震災の復興支援として、東北地方の観光を後押ししようとJR東日本が企画した。

 このSLは1940年代から約30年間、JR山田線などで活躍。72年に引退し、盛岡市内の公園に保管されていた。震災を機に、SLを復活させて観光の目玉にする計画が持ち上がった。2012年11月から修復作業に入り、ボイラーの一部交換などが行われた。

 「SL銀河」は観光列車で、旅客車4両が接続されている。宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」をモチーフに、車体には星がちりばめられ、車内には関連書籍のほか小型プラネタリウムを搭載。週末や休日を中心に運行される。

 花巻駅で開かれた出発式で、JR東日本の冨田哲郎社長は「SLの大きなとどろきが東北の地に元気を与え、地域が復興の力を得ることを願っている」とあいさつ。鉄道ファンらで満員のSL銀河は高らかに汽笛を鳴らし、釜石駅へと向かった。