成田空港の乗り継ぎで「没収」されません


酒など液体物の客室内液体持ち込みが可能に

成田空港の乗り継ぎで「没収」されません

客室内へ持ち込むための最新機器を使用した酒類などの検査=9日午後、成田空港

 成田空港で10日から、検査場を経由して国際線を乗り継ぐ際、これまでは認められなかった酒類など液体物の客室内持ち込みが、最新機器による検査を受けることで可能になる。テロ対策のため、出発空港で購入した酒類や化粧品などが乗り継ぎ空港で事実上「没収」されるケースが世界で後を絶たず、旅客から不満が上がっていた。1月に施行された新ルールに基づく準備が整った成田で、国内では初めて実現した 。

 英国で2006年にあった液状物質による航空機爆破未遂事件を受け、原則として100ミリリットルを超える液体物は国際線の客室内に持ち込めなくなった。保安検査後に空港内売店で購入した場合は例外だが、乗り継ぎの際は再び検査があるため、免税店などで買った高価な酒や化粧品を放棄させられる例が多発した。成田では、月500件程度が「没収」されていた 。

 成田では10日から、乗り継ぎの検査場で液体物を最新式の機器に通し、問題がなければ「STEB(ステブ)」と呼ばれる不正開封防止袋内に密封することで客室内に持ち込める 。

 3月の羽田国際線増便に危機感を抱き、日本が目的地の旅客だけでなく、乗り継ぎ利用の促進にも力を入れる成田空港。担当者は「安全性を確保した上で、お客さまの利便性向上を図った」と話している。