砕氷艦「しらせ」が南極から東京・晴海へ帰還


3年ぶり昭和基地沖に接岸、帰途で座礁するも自力離脱

砕氷艦「しらせ」が南極から東京・晴海へ帰還

帰港した砕氷艦「しらせ」=7日午前、東京・晴海

 2013年11月に東京から出港し、南極観測船として観測隊員や物資を運んだ海上自衛隊の砕氷艦「しらせ」(1万2650トン、日高孝次艦長)が7日午前、東京・晴海に帰港した。

 しらせは今年1月上旬、3年ぶりに昭和基地沖に接岸し物資約1180トンをすべて輸送した。しかし、帰国途中の2月16日に同基地の東約300キロで暗礁に乗り上げ座礁したため、船底が一部損傷して浸水、満潮時に自力離脱して航海を続けた。

 帰港した乗員ら約180人に対し、松村五郎統合幕僚副長は「入念な準備により基地接岸を果たし、観測業務に貢献した」と訓示。乗員の小吹賢3等海曹(39)は1歳11カ月の娘を抱きかかえ、「出港時よりも重くなりました」と話した。

 第54次越冬隊と55次夏隊の隊員らは3月、オーストラリア・シドニーで下船し、一足先に空路で帰国した。南極最大の大気レーダーを使った観測や湖沼の微生物調査、海洋観測などを行った。