「ゼロコロナ」正念場、上海で都市封鎖が開始


新規感染増加、スーパーに長蛇の列、政策への不満高まる

「ゼロコロナ」正念場、上海で都市封鎖が開始

28日、上海で、都市封鎖に備えスーパーに殺到する市民(時事)

 新型コロナウイルスの感染が広がる中国・上海で28日、市の東半分が事実上のロックダウン(都市封鎖)に入った。期間は4月1日まで。その後、同月5日まで西半分で封鎖措置が導入され、約2600万人の全市民に対するウイルス検査を終える予定だ。西側のスーパーには外出制限に備え、食料など必需品を買い求める人が長い列をつくった。

 市当局によると、27日には新たに3500人(うち無症状3450人)の市中感染が確認され、11日連続で過去最多を更新。経済や生活を犠牲にしても感染拡大を抑え込む「ゼロコロナ」政策は、正念場を迎えた。

 中国経済の中心でもある上海は、これまで「経済への影響が極めて大きい」(市幹部)として、都市封鎖に後ろ向きだった。感染発生地に限定した封鎖措置や迅速なウイルス検査など、機動的な封じ込めで経済・社会への影響を抑えてきたが、感染力の高いオミクロン株の流行で政策見直しを迫られた。

 市内では3月以降、人通りが減り、休業する商店が急増。オフィスが閉鎖されて在宅勤務に入る企業も相次ぎ「商売が成り立たず、廃業も考えている。いつまで続けるつもりか」(日系美容院関係者)と、ゼロコロナ政策への不満が高まっている。(上海時事)