露軍艦が津軽海峡を通過、防衛省が情報分析へ


軍用車両を多数積載、ウクライナ侵攻への増援部隊を輸送か

露軍艦が津軽海峡を通過、防衛省が情報分析へ

津軽海峡を通過したロシア海軍のアリゲーターⅣ級戦車揚陸艦。甲板にウクライナへの増援とみられる軍用車両を載せている(防衛省統合幕僚監部提供)

 防衛省は16日、ロシア海軍の戦車揚陸艦4隻が津軽海峡を通過したと発表した。軍用車両を多数積載しているのが確認され、同省はウクライナ侵攻への増援部隊を輸送している可能性もあるとみて、情報分析を進めている。

 同省によると15日午後8時ごろ、下北半島(青森県)の尻屋崎の東北東約70キロの海上をロシア海軍のアリゲーターⅣ級戦車揚陸艦など2隻が航行しているのを、海上自衛隊の哨戒機が発見。その後16日にかけ、同艦などロシア軍艦4隻が津軽海峡を西方に抜け日本海へ航行した。

 アリゲーターⅣ級の甲板には軍用車両10台以上が載せられていた。残る3隻も戦車揚陸艦で、同省は軍用物資や兵士を積載しているとみている。シベリア鉄道などを使いウクライナ戦線に運ばれる可能性があるという。

 ロシア軍艦は10~11日に駆逐艦など計10隻が津軽海峡を通っており、14日にも別の兵器輸送艦1隻が通過。宗谷海峡でも同日、潜水艦など6隻の通過が確認されており、日本周辺の活動が活発化している。両海峡は国際海峡に指定され、通過に国際法上の問題はない。いずれの通過も領海侵入はなかった。