田中将がデビュー戦で勝利、日米通算100勝
ヤンキースで絶好の船出、修正能力を証明
ヤンキースのユニホームをまとい、初めて公式戦のマウンドに上がった田中将は、明らかに本来の調子ではなかった。7回97球。耐えに耐えて3失点にとどめ、記念の1勝を挙げた。
本拠地開幕に沸くブルージェイズファンの中で、重圧のかかかる初登板を迎えた。序盤は「試合に入り切れていないという感じだった」といい、カブレラに先頭打者本塁打を浴びる厳しい立ち上がり。高めに浮く球やワンバウンドする球が多く、二回にも2点を失った。しかし、我慢を続け四球は一つも出さず粘る。ツーシームなど速球系中心の組み立てに変え、徐々に落ち着きを取り戻していった。
オープン戦とは違う雰囲気。一塁手テシェイラの負傷による途中交代や観客の乱入もあり荒れた試合となった中でも、ピンチで連続三振を奪うなど崩れずに投げ続けた。四回以降はリズムもよくなり、「今まで自分が野球人生で積み重ねてきた経験があったから持ちこたえられた」と胸を張る。
逆転された直後に再びひっくり返してくれた味方打線の援護も大きかった。序盤からイチローの一打をめぐり積極的にビデオ判定を要求したベンチのサポートもあり、日米通算100勝に到達した。
ジラルディ監督は「注目の大きさや緊張感をコントロールしていた。いい仕事をしてくれた」とたたえた。大きな注目を浴びた大型新人は、苦しみながら試合の中で修正して結果を出し、デビュー戦で能力を証明した。(トロント時事)