サイバー防衛隊が発足、ネットワーク防護強化へ
各自衛隊の対処部隊を統合、体制を強化し現代戦に対処へ
防衛省へのサイバー攻撃に一元的に対応する「サイバー防衛隊」が17日、発足した。陸海空各自衛隊にあった対処部隊を統合し、約540人規模へ増員。ロシアのウクライナ侵攻でもサイバー攻撃が行われており、巧妙化する手口に対し体制を強化した。
同隊は防衛省と自衛隊の共有ネットワーク「防衛情報通信基盤」を管理し、不審な動作がないか監視したり、サイバー攻撃に対処したりする。各自衛隊にあったシステムの防護部隊を統合幕僚監部に一元化し、即応性などを高めた。全国の情報通信関連部隊の訓練支援体制も強化する。
岸信夫防衛相は、東京・市谷の同省で行われた発足式典で、隊司令の木村顕継陸将補に隊旗を授与し、「サイバー攻撃の脅威は日々高度化、巧妙化している。サイバー領域の最前線を担う部隊としての自覚と誇りを胸に任務に当たってほしい」と訓示した。
情報通信ネットワークは指揮統制の基盤となっており、現代戦では社会インフラなども含めたサイバー攻撃が常とう手段となっている。防衛省はこうした情勢を受け、民間登用も含めた人材育成などさらなる体制強化を急いでいる。