台湾の蔡総統、ポンペオ前米国務長官と会談


中国を念頭に緊密な連携を確認、ポンぺオ氏に勲章を授与

台湾の蔡総統、ポンペオ前米国務長官と会談

3日、台北の総統府でポンペオ前米国務長官(左)に贈答品を渡す台湾の蔡英文総統(総統府提供・時事)

 台湾の蔡英文総統は3日、訪台中のポンペオ前米国務長官と総統府で会談した。蔡総統はトランプ前政権下で台米関係の強化を図ったポンペオ氏に謝意を伝え、今後も引き続き緊密に連携していくことを確認した。

 蔡氏は会談で「ポンペオ氏は台湾の国際参加を長期にわたり支援したほか、台米関係に多くの画期的な発展をもたらした」と感謝を表明。その功績をたたえて勲章を贈り、「今後も台米関係の深化に向け、一緒に努力を続けてほしい」と期待を述べた。

 これに対しポンペオ氏は、台湾統一を目指す中国の脅威を念頭に「欧州の事案(ウクライナ情勢)からも自由は当たり前でないことが分かる。米国はこれからも台湾と共にある」と応じた。米国の台湾問題への関与を重視する自身の立場を改めて強調した形だ。

 対中強硬派で知られるポンペオ氏は2018~21年の在任中、台湾への武器輸出促進や米台経済対話の再開などに取り組んだ。反中発言で中国政府の制裁を受けており、中国側はポンペオ氏の訪台に激しく反発している。中国外務省の汪文斌副報道局長は3日の記者会見で「ポンペオ(氏)の行為は恥知らずで、必ず徒労に終わる」と述べた。(台北時事)