ジャンプ男子W杯、小林陵侑が今季8勝目


圧巻の最長不倒、自身も驚く修正力、総合得点でも首位に

ジャンプ男子W杯、小林陵侑が今季8勝目

W杯ジャンプ男子で優勝を分け合った小林陵侑(右)とグラネル=27日、フィンランド・ラハティ(EPA時事)

 1回目で5位につけた小林陵は頂点を射程圏に捉えていた。「(点差が)タイトだったので、チャンスはある」。首位グラネルとは飛距離換算で1・7メートルほどの僅差。勝負の2回目でビッグジャンプを披露した。

 鋭く飛び出し、ぐんぐん伸びた。最長不倒に並ぶ130・5メートル。ほえながら両拳を握った。飛型点も、5人の審判がそろって20点満点で19・0点以上をつける圧巻の飛躍。同じ1996年生まれで仲の良いグラネルと、自身初という同点優勝となり、「シンプルにうれしい。最後、決まってよかった」。笑顔で声を弾ませた。

 個人で金、銀のメダルを獲得した北京五輪後、ジャンプ台に10日間乗れなかった。25日のW杯再開初戦は7位。「希望は見えていた」。飛ぶたびに修正を重ね、短期間で好感触を取り戻したのは日本のエースの底力と言えたが、「自分でもびっくりした」と驚きも隠さなかった。

 五輪メダリストとなった重圧は「あんまりなかった。割り切っている」と自然体で構える。W杯の総合得点でガイガー(ドイツ)を抜き、首位に立った。「ここで追い越せるとは思わなかった。ここから楽しみ」。勢いはさらに加速していきそうだ。(ラハティ時事)