高まるロシアの脅威、非常事態宣言を発令へ
ウクライナ軍は予備役の招集を開始、米欧の対露制裁に謝意
ウクライナ国家安全保障・国防会議は23日、非常事態宣言を発令する方針を決めた。同会議のダニロフ書記が発表した。国会での承認を経て正式に発令される。ロシアが21日に東部の親ロシア派支配地域の独立を承認し、他の地域へも侵攻の脅威が高まっていることを受けた措置。
期間は30日間で延長も可能。親ロシア派武装勢力が活動する東部2州には既に発令されており、それ以外の地域が今回の宣言の対象となる。国会では、市民の武器携行を認める法案も審議されている。
ウクライナ軍は23日、18~60歳の市民の予備役招集を開始した。ゼレンスキー大統領は22日の演説で「招集命令を下した」と述べていた。
一方、クレバ外相は23日、ツイッターで「さらなる攻撃を止めるため、パートナーたちに一層の対ロシア制裁を科すよう呼び掛ける」と表明。「最初の断固たるステップが昨日行われた」と述べ、米欧が制裁に踏み切ったことに謝意を示した。
ウクライナ外務省は23日の声明で、ロシアに滞在する全てのウクライナ市民にロシアから直ちに退去するよう促した。(イスタンブール時事)