団体追い抜き日本女子、五輪新記録も課題残す
堅実な試合運びで準決勝進出、ラスト2周の失速が課題に
連覇を狙う団体追い抜きの日本女子が好スタートを切った。タイムを争う1回戦で五輪新をマーク。トップで準決勝に進出した。
注目の先頭交代は3回だった。まず高木美が率い、佐藤が1周。高木菜がつなぎ、最後に再び高木美が先頭に出た。
五輪前は2度の交代に減らしたり、隊列変更をしないパターンも試したりしたが、体力の消耗が大きく、ワールドカップ(W杯)などで十分な成果を残せなかった。「最終的に自分たちが一番自信を持って挑める作戦」と高木菜。堅実なレース運びだった。
従来の五輪記録は平昌五輪で金メダルを獲得した際に打ち立てたタイムだった。同じメンバーで臨み、0秒28塗り替えたことでチームとしての完成度がさらに高まったことを証明。ゴール直後に舌を出し、拳に力を込めた高木美の表情からも手応えが伝わった。
もっとも、ラスト2周のラップは、同じく4強入りした今季W杯3連勝のカナダ、大国オランダより落ち幅が大きく、課題も残った。「そこをどう改善していくかは、チーム全員で話し合って詰めていきたい」と高木美。余韻に浸ることなく、メダルの行方が決まる15日を見据えた。(時事)