複合の渡部暁斗は7位、ジャンプで出遅れ
距離で上げるもメダル遠く、ラージヒルに向け切り替え
前半飛躍で出遅れ、初めての金メダルがかすんだ渡部暁。後半距離はベテランらしいレース運びと力強い走りで7位に上げたが、「メダルを取れなければ何位でも変わらない」と言った。
今季はなかなかジャンプの調子が上がらない。助走姿勢を見直して良くなりかけても、また戻る。この日も98メートルと、最悪ではないが物足りない内容だった。ただ、上位選手の顔ぶれなどから、トップと1分16秒差で出る後半もまだメダルの可能性はなくなったわけではない-とみていた。
距離は1周2・5キロのコース。序盤は優勝したガイガー、ワールドカップ(W杯)総合首位のランパルターらと5位集団を形成し、じわじわと前の4人を追った。3周目にガイガーが一気に前に出た時は何とかついていったが、4周目には力尽き、前の選手をのみ込むまではできなかった。
1600~1700メートルくらいという標高の高さは苦にせず、「(15日の)ラージヒルに向けて首の皮一枚つながった感じ」と表現した。前日までに話していた通り、やはりカギはジャンプ。この日はガイガーより10秒前に後半を出たが、金メダル獲得のためには、距離が強い選手にはもう少し差をつけてスタートしたい。
「いいところで体力を残せたら勝負できる」。豊富な経験で培ってきた勝負強さが生きる展開にできれば、ラージヒル優勝が見えてくる。
淡々とした口調で、表情は明るかった。「若干達観しているところはある。今季は思ったような結果が出なくて悔しさに対してまひしている」。6日後へ向けて切り替えるには、ちょうど良いぐらいの冷静さだ。(時事)
渡部暁斗 金メダルの選手とは(途中まで)一緒に走っていたので、もう少しうまく走ればメダルもあったかと思うと悔しさもある。最終周まで粘れたが、コースのきつさと標高の高さもあり、最後は(体力が)残っていなかった。(時事)