韓国・現代自動車、12年ぶり日本へ参入


「日本は挑戦すべき場所」、オンラインでEVやFCV販売

韓国・現代自動車、12年ぶり日本へ参入

日本市場への再参入を発表した韓国の現代自動車=8日、東京・大手町

 韓国最大手の現代自動車は8日、日本の乗用車市場への再参入を発表した。2009年末の撤退以来、約12年ぶり。電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)のオンライン販売に特化する戦略で攻勢を掛ける。チャン・ジェフン社長兼最高経営責任者はビデオメッセージで「日本市場は多くのことを学ぶべき場所であると同時に、挑戦すべき場所でもある」と意気込みを語った。

 スポーツ用多目的車(SUV)を2車種投入する。EVの「IONIQ(アイオニック)5」が479万円から、FCVの「NEXO(ネッソ)」が776万8300円。

 販売はオンラインだけで行い、注文開始は5月を予定している。購入の相談や整備などを行うカスタマーセンターを今夏、横浜市内に開業させるほか、全国の主要地域での展開も計画している。

 日本では、走行時に排ガスや二酸化炭素を出さないゼロエミッション車(ZEV)のみを提供する。チャン社長は「脱炭素化への意識が高まりつつある市場だ」として、日本におけるZEVの需要拡大に勝機を見いだす。

 日本の輸入車市場では、09年の現代自に続き、米フォード・モーターが16年に撤退。21年の乗用輸入車販売台数は独ブランドが上位5位を独占し、合計6割以上のシェアを誇っている。