ミャンマーで沈黙スト、クーデター1年で抗議


国軍が強く警告も多くの商店が休業、国軍支持のデモ行進も

ミャンマーで沈黙スト、クーデター1年で抗議

1日、「沈黙のストライキ」が行われ、閑散とするミャンマー最大都市ヤンゴンの市街地(住民提供・時事)

 ミャンマー国軍がクーデターを起こし、アウンサンスーチー氏が率いる国民民主連盟(NLD)政権を転覆させてから1日で1年となった。民主派は外出や出勤を控えて国軍に抗議の意思を示す「沈黙のストライキ」を呼び掛け、各地で多くの商店が休業した。

 国軍は沈黙ストに参加した場合、テロ対策法違反で取り締まると事前に強く警告した。しかし、多くの市民がストの呼び掛けに応じ、街を行き交う人や車は通常より大幅に減った。

 国軍のミンアウンフライン総司令官は国営テレビで1日放映された演説で、NLDが圧勝した2020年の総選挙で大規模な不正があったと改めて主張。「(NLD政権が)不正に対処せず、民主主義国家に前例のない困難をもたらしかねなかった」と語り、国軍による全権掌握を正当化した。

 また、国軍に抵抗する民主派が「テロ攻撃を行っている」と強調し、実力を行使して抑え込む姿勢を打ち出した。

 首都ネピドーなどでは国軍の統治を支持するデモ行進が行われた。デモ隊は「愛国的な国軍を全面支持」「(民主派は)国を破壊している」と書かれた横断幕を掲げ、街頭を練り歩いた。(バンコク時事)