豪政府、グレートバリアリーフの保護強化


810億円を追加支出、「危機遺産」への格下げ回避へ

豪政府、グレートバリアリーフの保護強化

世界最大のサンゴ礁で世界遺産のグレートバリアリーフ=2014年11月、オーストラリア東部沿岸(AFP時事)

 オーストラリア政府は28日、東部沿岸に広がる世界最大のサンゴ礁で世界遺産のグレートバリアリーフの保護を強化するため、10億豪ドル(約810億円)を追加支出すると発表した。「危機遺産」への格下げ回避が狙いで、従来計画から約5割増となる。

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は昨年6月、気候変動などの影響を受けグレートバリアリーフの価値が損なわれかねないとして、危機遺産リストに加えることを提案した。豪政府の巻き返しを受け、7月の会合では危機遺産への登録の可否をめぐる投票が先送りされた。

 豪政府の発表によれば、追加分を含めると2050年までに投じる資金の総額は30億豪ドル超となる。新たに支出する10億豪ドルは向こう9年にわたり、周辺海域の水質改善、オニヒトデの食害低減に向けたサンゴ礁管理、気候変動に対応する技術の導入などの事業に使われる。

 モリソン首相は、グレートバリアリーフ保護により観光業などを中心に6万4000人の雇用を守ると表明。「われわれの関与を新たな水準に引き上げる」と強調した。(シドニー時事)