全豪テニス車いす、国枝慎吾が11度目の優勝
モチベーションの維持に苦心、自身の心を奮い立たせる
国枝は勝負の最終セットで本領を発揮した。正確なストロークで主導権を握り、要所で決めたバックハンドのダウンザラインは「まぐれ。自分の力以上のものが出た」。そう謙遜して振り返ったショットは手応え抜群。6-2で押し切り、2年ぶりの優勝を引き寄せた。
東京パラリンピックで金メダルに輝いてからは、モチベーションの維持に苦心している。「辞めようと思った時もあった。目標のない中でやっている感はある」。それでもコートに入れば闘志が湧くのを実感した。「負けたくない気持ち。テニスを始めた原点にいかに向き合えるか。そこしかない」。自身の心と闘う比重が増している。(時事)