ガソリン価格が170円台に、補助金制度発動へ


萩生田経産相が会見、影響緩和へ異例の措置、あす適用へ

ガソリン価格が170円台に、補助金制度発動へ

レギュラーガソリン1㍑当たり177円を示す看板=25日午後、東京都内

ガソリン価格が170円台に、補助金制度発動へ

政府のガソリン高騰対策のイメージ


 
 萩生田光一経済産業相は25日の閣議後記者会見で、政府がガソリン価格の高騰抑制のために設けた補助金制度を初めて発動すると発表した。26日公表予定のレギュラーガソリン1リットル当たりの給油所店頭価格(全国平均)が170円20銭と、約13年4カ月ぶりに170円以上となり、発動条件を満たすことが確実となったためで、国民生活への影響緩和へ異例の措置を講じる。

 抑制策は27日から適用。ガソリン、軽油、灯油、重油を対象に、石油元売り会社などに対し1㍑当たり3・4円の補助金を支給する。小売価格はガソリンスタンドが決めるが、経産省は価格に反映されているかどうかを調査する。萩生田氏は「価格には地域差があるが、急激な値上がりの抑制が可能になると期待する」と語った。

 この制度は、レギュラーガソリンが発動基準の170円以上となった場合、元売り会社に対し、卸価格の上昇抑制のための補助金を交付し、給油所での小売価格の高騰を緩和するのが狙い。

 補助額は、1㍑当たり最大5円で、経産省が週ごとに公表する「石油製品価格調査」のレギュラーガソリン価格や原油価格の推移などから決定する。期間は3月まで。2021年度補正予算に原資として800億円が盛り込まれた。元売りや商社は補助金を全額卸格の抑制に使う方針だ。

 経産省は効果検証のため、約3000店で実施している製品価格調査の対象を、給油所以外の灯油販売店などを含む約3万2000店に増やす。制度の仕組みが複雑なため、給油所や消費者の問い合わせに対応するコールセンターも設置する。

 原油価格は、世界景気の回復が進む一方、主要産油国が増産に慎重なことなどから高値圏での推移が続いている。国内でもガソリンや灯油の価格が高騰し、政府が昨年12月に制度を新設した。

石油製品価格調査 経済産業省が毎週水曜日に公表するレギュラーガソリンや軽油、灯油の給油所店頭小売価格などに関する統計。一般財団法人の日本エネルギー経済研究所石油情報センターが委託を受け、原則として月曜日時点の価格を調査、集計している。レギュラーガソリン店頭価格の全国平均は、2008年8月の185円10銭が最高値。輸送にコストがかかる離島の多い地域では、価格が高い傾向がある。