富士山信仰用具など5件、重要民俗文化財に
文化審議会が答申、「沼田・大坂の湯立神楽」も指定へ
文化審議会は21日、富士山信仰に関するさまざまな用具を集めた「吉田口の富士山信仰用具」(山梨県富士吉田市)を重要有形民俗文化財に指定するよう、文部科学相に答申した。神社の祭りで獅子が舞う「沼田・大坂の湯立神楽」(静岡県御殿場市)など4件を重要無形民俗文化財に指定することも求めた。
富士登山口の吉田口は、江戸中期以降に盛んとなった富士登拝を目的とする富士講の一大拠点として栄えた。文化財に指定されるのは、登拝に使った行衣やつえのほか、参詣者の世話をした「御師(おし)」の家に祭られた神像や鏡など約4000点。
沼田・大坂の湯立神楽は、獅子が笛や太鼓のはやしに合わせて舞い、集まった人々に釜の湯を振りかけてはらい清める。「箱根の湯立獅子舞」(神奈川県箱根町)も指定される。
文化審議会の答申は以下の通り。
【重要有形民俗文化財】
吉田口の富士山信仰用具(山梨県富士吉田市)
【重要無形民俗文化財】
八王子車人形(東京都八王子市)▽箱根の湯立獅子舞(神奈川県箱根町)▽静岡浅間神社廿日会祭の稚児舞楽(静岡市)▽沼田・大坂の湯立神楽(静岡県御殿場市)
【登録有形民俗文化財】
七尾の嫁暖簾(石川県七尾市)▽宇治茶の生産・販売用具(京都府宇治市)
【記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財】
大芝の七夕馬製作技術(千葉県茂原市)