オランダ国王、「金の馬車」使用を無期限停止
装飾に人種差別批判、植民地や奴隷制に関する議論活発化
オランダのウィレム・アレクサンダー国王は13日、「ゴールデン・コーチ」と呼ばれる王室専用の馬車の利用を無期限に停止する考えを表明した。過去の奴隷制を象徴する装飾が施されていることから、人種差別だとの批判が出ていた。
豪華なこの馬車は、議会開会などの国事の際に国王を乗せてきたが、2015年以降は使用されていない。車の左側面には、ひざまずいた黒人がココアなどの産品を白人領主にささげる様子が描かれている。
国王はビデオメッセージを公開し、「われわれは過去を書き換えることはできないが、共に受け入れようと努力することは可能だ。これは植民地時代の過去にも当てはまる」と強調。馬車について「オランダの準備が整った時に初めて使用できるが、今はまだそうではない」と説明した。
米国での「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大切だ)」運動の高まりを受け、他の欧州諸国と同様にオランダでも植民地や奴隷制に関する議論が活発化している。(ハーグAFP時事)