カンボジアで活躍、地雷探知の英雄ネズミ死ぬ


アフリカオニネズミのマガワ、地雷など100個以上を発見

カンボジアで活躍、地雷探知の英雄ネズミ死ぬ

金メダルを掛けられた地雷探知ネズミの「マガワ」(APOPO提供・時事)

 地雷除去活動を行う国際非営利団体APOPOは11日、カンボジアで地雷探知に貢献したアフリカオニネズミの「マガワ」が先週末に死んだと発表した。8歳だった。鋭い嗅覚を生かし、昨年6月の引退までに東京ドーム5個分の22万5000平方メートルを捜索し、100個以上の地雷や爆発物を見つけた。

 カンボジアでは内戦中、400万~600万個の地雷が埋められたとみられ、約300万個は見つかっていない。爆発物の化学物質を探知するマガワは、金属片には反応しないため作業が効率的で、人間が金属探知機を使って4日かかるテニスコートほどの範囲をわずか30分で捜索できた。

 2020年9月には、英国のペット愛護団体PDSAからネズミとしては初めて表彰され、「金メダル」を授与された。APOPOは「マガワの貢献により、カンボジアの住民は命や手足を失う心配なしに生活できるようになった」と功績をたたえた。(バンコク時事)