井岡一翔、福永亮次を判定で下し4度目防衛
さすがの対応力、直前で相手が変わるも気持ち立て直す
防衛に成功した井岡はリング上で福永に一礼した。タフな相手を倒し切れなかったものの、3-0の判定勝ち。張り詰めていた気持ちがほぐれ、笑みがこぼれた。
対応力はさすがだった。打ち終わりに強打を出してくる福永に手を焼きながらも、アッパーやフックで角度を変えたり、上下に打ち分けたりしてガードを崩した。中盤からは右ストレートでもダメージを与えて勝利の流れをつくった。
本来ならこの日は、熱望していた国際ボクシング連盟(IBF)王者のアンカハス(フィリピン)との王座統一戦だった。しかし、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の影響で中止に。急きょ試合を受けてくれた福永には敬意を示しつつも「複雑な心境だった」と打ち明ける。
数日は練習に身が入らず、難しい精神状態だったが、この試合をクリアすれば、王座統一戦を組むことでアンカハス側と合意。再びビッグマッチを引き寄せるためにも、立ち止まるわけにはいかなかった。
直前で相手が変わる事態にきっちり対応してみせた32歳のチャンピオンは「さらなる目標を目指して頑張る」と声を張って宣言した。