香港民主運動の象徴、天安門事件追悼像を撤去
高さ8mの彫像「国恥の柱」、香港大学構内から撤去
香港メディアによると、香港大学は23日朝までに、天安門事件犠牲者を追悼する彫像を構内から撤去した。像は1997年に香港大に運び込まれ、香港における民主運動の象徴の一つだった。
高さ約8メートルの像「国恥の柱」は、中国で民主化運動が武力弾圧された1989年6月の天安門事件を記念するためにデンマーク人彫刻家が制作した。朱に塗られた表面には、苦悶(くもん)の表情を浮かべた人々の身体が積み重なるように浮き上がっている。像は香港で事件の追悼集会を開催してきた民主派団体「香港市民愛国民主運動支援連合会」(支連会)に貸し出され、学生会との共同管理の下で設置されていた。
香港では昨年の国家安全維持法施行後、民主派の摘発が加速。支連会幹部も相次いで逮捕され、団体は今年9月に解散を決定した。大学側は10月、清算手続き中の団体に対して像の撤去を要請した。
大学側は「外部の法的意見とリスク評価に基づき」撤去を決めたと説明。像は23日、キャンパスから離れた大学管理施設に移送され、今後、制作者に返還されるとみられる。(香港時事)